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ドラゴンブック1
ドラゴンブック2
ドラゴンブック3
レター1
レター2
ランディレポート
ピクチャーボード
バイブル1
バイブル2
ドラゴンバイブル
ゾアバイブル
ドローンレポート
タワーレポート2
タワーレポート3
ソルジャーガイド
ベースマニュアル
タワーレポート1
シップレポート
ドラゴンレポート
パエットノート
メモリーレポート
リーダーズノート

ドラゴンブック1

ドラゴン乗りの日記・1
10の月22日
メッカニア連邦からの使者が、
成長したクーリアを買い取りに来る。
僕のガドに高値がついたらしく、
今日の食事はいつもより多かった。
でも、殺された変種の子の後始末を
したので、食べる気になれない。
変種は生まれ次第撃ち殺す。それが
村の掟だ。変種は人になつかず
売り物にならない。そして何より、
不吉の象徴だった。
…大人たちの間では。
でも、僕にとっては同じクーリアだ。
変種の証である不思議な青白い光も、
災いの前兆だなんて思えない。
1の月25日
ジグが熱を出した。お産が近いので
つきっきりで世話をする。こいつを
死なせてしまったら、ひどく叱られる
ことになるだろう。
結局みんなは、腕のいい世話係が
欲しいだけで、それが僕である必要は
ないのかもしれない。
1の月26日
ジグは死んでしまった。思ったとおり
叱られたし、食事も抜かれた。けど、
そんなことはもうどうでもいい。
僕は、みんなに嘘をついた。
みんなに死産だと言った変種の子は、
いま、物置の隅で寝息をたてている。
掟を破るつもりはなかった。
ただ、殺せなかった。
こいつの肩から生えている小さな翼が
僕の心を捉えてしまったから。
 
そう、こいつには翼があったのだ。
1の月27日
変種の子には、ラギと名づけた。
僕がなぜこいつを育てる気になったか
聞いたら、みんな、きっと僕のことを
笑うだろう。
村の言い伝えや写本には、決まって
ドラゴンが出てくる。そして、ラギの
姿は、そのドラゴンを思わせるのだ。
自分でも、子供じみた考えだと思う。
それでも僕は、ラギの成長した姿を
見てみたい。そして、一度でいいから
あの翼で飛んでみたい。
小さい頃に聞いたおとぎ話に出てきた
ドラゴン乗りのように。
9の月8日
ラギの成長は、驚くほど早い。一歳の
誕生日を迎えるころには、すっかり
大人になっているだろう。
はばたく力も上がっている。運動の
ために走らせていたら、一瞬だけど
体が浮かんだ。この分だと、本当に
空を飛べるかもしれない!
10の月19日
昨日、僕は帰る場所を失った。
住んでいた家も、村のみんなも、
あの光とともに消えてしまった。
突然現れた、旧世紀の巨大な機械。
その機械が放った一条の光は、僕の
生まれた村を、黒焦げの廃墟に変えて
しまった。
飛ぶ練習をするために、村の外に
出ていた僕らだけが助かった。
不思議と涙は出なかった。目の前で
村が燃えているのに、なにか悪い夢の
ように思えて仕方なかった。
むしろ、その後に起きたラギの異変が
僕を恐れさせた。
宙に浮かぶ旧世紀の機械に向けて、
ラギが放ったもの…それはドラゴンの
「光の矢」だった。
 
僕の夢想は、現実になってしまった。
今まで僕のまわりにあった、全ての
現実を代償にして。

ドラゴンブック2

ドラゴン乗りの日記・2
10の月23日
旅に出てから3日目。キャラバンから
水と食料を分けてもらう。
例の旧世紀の機械(みんな「フネ」と
呼んでいるようだ。メッカニアが発掘
したものだという)の行方も聞いた。
どうやら帝国との国境地帯に向かって
いるらしい。
どうして旧世紀のフネを追うのか、
実のところ自分でもよくわからない。
 
かたきを討つ? 
 
少なくとも、最初はそういう気持ちで
動いていたかもしれない。
でも、今はそれだけじゃない。
なぜか、使命感に似た気持ちがある。
あの旧世紀のフネを、このまま放って
おくわけにはいかない。ラギの翼が
力を貸してくれる限り、僕はあれを
追い続けるつもりだ。
11の月2日
国境地帯での戦に巻き込まれる。
旧世紀の武器を使った戦は、今までの
ものとは全然違う。攻性生物のような
乗り物が無数に空を飛び交い、それを
撃ち落とそうとして、様々な色の光が
天に放たれる。
まるで、神々の戦のようだった。
でも、戦っていたのは普通の兵隊だ。
神の乗り物に乗っていても、僕と同じ
人間だったはずだ。
なのに、身を守るためとはいえ、僕は
彼らを撃ってしまった。
何のためらいもなしに。
戦っている間、僕はラギと一体に
なったようだった。恐れは消え去り、
自信と使命感が全身にあふれていた。
あれは僕自身の意思なのか…それとも
ドラゴンとしてのラギの意思が、僕を
突き動かしていただけなのか。
そのラギは、また新たな力を見せた。
戦いを終えたラギは、光を放ちながら
一瞬で脱皮を遂げた。
あれが、ドラゴンの成長のやり方
なのだろう。
11の月14日
森の上で、また帝国軍と出くわす。
その武器や規模より、彼らが人間で
あるという事実の方が恐ろしかった。
彼らと正面から戦っていたら、また
無数の兵士の命を奪っていたはずだ。
とっさに逃げ込んだ森の中には、村の
焼け跡で見た巨大な攻性生物がいた。
おそらく、旧世紀のフネと行動を
ともにしていたのだろう。
徐々に、フネとの距離が縮まって
いくのを感じる。
攻性生物を倒した後、僕は初めて
旧世紀の遺跡に入った。
遺跡の中は、想像とはまるで違った。
番人のように襲ってくる攻性生物の
群れ、大陸全てが潤うほどの湖、
奇妙な機械が眠り続ける迷宮。
そこには、死の匂いだけがあった。

ドラゴンブック3

ドラゴン乗りの日記・3
11の月16日
ゲオルギウスに来て2日目。
あのフネを追って、とうとうこんな
ところにまで来てしまった。
人間の世界は、数万リオンの彼方だ。
いまさらながら、孤独を感じる。
ラギの姿も、何度も変身するうちに
すっかり変わってしまった。光の矢の
威力も格段に上がった。まさに伝説の
ドラゴンそのものだ。
でも、心だけは、昔のままのラギだと
信じたい。ラギだけが、ただひとつ
僕に残されたものだから。
ドラゴンといえば、また例の奴を
見かけた。村の焼け跡でラギを叩き
落とした、もう1頭のドラゴンだ。
あれから時々姿を現すが、襲ってくる
様子はない。
あいつも、旧世紀のフネを目指して
いるのだろうか?
12の月3日
今日の出来事を、どう言葉にすれば
いいのだろう。
ゲオルギウスに沈んだ旧世紀のフネ。
例のドラゴンが、異形の姿となって
挑んできた最後の戦い。
そして、その戦いに勝った後に、
ラギが見せてくれた幻。
ラギが僕のもとを去ったという事実も
あの幻ほどには心を動かさない。
別れの一瞬、僕は、ラギが秘めている
秘密を託されたのだ。
 
彼と、そして世界の誕生の秘密を。
なのに、あの時理解したことが、もう
思い出せない。夢の中で悟った真理を
目覚めとともに忘れてしまった…
そんな感じだ。
今はただ、胸が苦しい。あまりにも
大きなものを抱え込んで、心の中が
渦巻いている。
12の月6日
旧世紀のフネの残骸を見つけた。
内部は、死んだように静まりかえって
いた。攻性生物もみんな死んでいた。
ラギが、秘められた力を使って、
フネの命を封じ込めたのだ。
フネの中心には、力を使い果たして
眠るラギの姿があった。
石のように冷たく固まってはいたが、
彼の命の灯は消えていないことを
僕は知っている。僕の胸の中にある
何かが、そう教えてくれる。
いつの日か、ラギは力を取り戻して
大空に帰っていくだろう。そして、
その背中には、たぶん僕ではない
誰かが乗っているだろう。
でも、僕はそれを悲しまない。
託されたものを失わない限り、彼は
僕とともにあるのだから。

レター1

エッジへの手紙・1
空中船のある広場にて待つ。
日が落ちたら来い。    

レター2

エッジへの手紙・2
ツァスタバの走り書き
オレや大佐のかわりに
閣下を守ってくれ。
 
たのむ。
クレイメンの手紙
2度も彼女を助けてくれた事、
礼を言う。
 
だが、正直、彼女は
君には荷の重過ぎる存在のはずだ。
実際に、そのままでは、
彼女が意識を取り戻す事もない。
私にとって、いや、君にとって納得の
できる終幕を始めよう。
アゼルと共に塔に来るがいい。
君たちの侵入コースを開けておく。
 
        K.F.クレイメン

ランディレポート

スキアド・オプス・ランディの書
はじめに
君がこれを読んでいるということは、
私の命を受けたシーカーたちが、
正しきドラゴン乗りとして、君を
見出したことを意味する。
私もまた、君と同じくドラゴンと
出会い、『塔』をめぐる戦いに身を
投じた者である。
戦いが終わった時、我が友であった
ドラゴンは、自らの存在の秘密を
私に託して去っていった。
のちにシーカーの一員となった私は、
「編み人」達の協力を得て、それを
読み解こうとしてきたが、全てを解明
するには至らなかった。
ここに書き記すのは、私に託された
秘密の、ごく一部でしかない。
わずかな知識ではあるが、私と同じ
境遇に立つ君の助けとなれば幸いで
ある。
ドラゴンの誕生
世界をいまの形に定めているのは、
『塔』と呼ばれる遺跡群である。
各地に建造された塔は、旧世紀の
世界管理の要として、攻性生物による
死の裁きを司っている。
だが、旧世紀においても、塔の存在を
よしとしない者たちがいた。
塔の創造主たちは、彼らによって塔が
破壊されることを怖れ、世界の泉
「ウル」の胎内から、塔の守護者たる
最強の攻性生物を産み出した。
それが、ドラゴンである。
それぞれの塔に1頭ずつ授けられた
ドラゴンは、与えられた使命を今でも
果たし続けている。
旧世紀の兵器を操る帝国軍でさえ
その守りを破ることはできない。
ドラゴンの力に対抗できるのは、
同じドラゴンだけなのだ。
異端のドラゴン
君が乗るドラゴンは、我が友の魂を
宿している。
それは、この世でただ1頭の、
「塔を殺す」ドラゴンの魂である。
ゆえに、君は他のすべてのドラゴンを
敵に回さなければならない。
ドラゴンの異端児である我が友は、
その誕生もまた異端であった。
我が友は、クーリアの変種として生を
受け、私の庇護のもとで育った。
そして、塔のひとつと遭遇したとき、
突如ドラゴンの力に目覚めたのだ。
彼がなぜ異端の誕生を遂げたのか、
それは定かではない。彼が私のもとで
幼き日を過ごしたのも、単なる偶然で
しかなかったのかもしれない。
しかし、彼は私を乗り手に選び、
塔によって故郷を滅ぼされた私もまた
彼の翼と力を欲した。
我々の旅は、空の塔・シェルクーフを
ゲオルギウスに沈めることで終わり、
力を使い果たした我が友は、肉体を
捨てて深い眠りについた。
それが、再び生ある身体に目覚め、
新たな乗り手として君を選んだという
わけだ。
新たな乗り手へ
おそらく我が友は、君を塔に導こうと
していることだろう。
それは、塔の死滅という彼の目的に、
我々には知り得ない理由で、乗り手が
深く関わっているからだ。
どうか、我が友に力を貸して、彼の
目的を果たす手助けをしてほしい。
それは、旧世紀の意志から世界を
解き放つことであり、ひいては
君自身の上にも投げられた死の影を
打ち払うことにもつながるのだ。

ピクチャーボード

『塔』の絵
ムービーで使用した絵

バイブル1

原初日の書
かつて、
世界は、神とともにあった。
人は、神の栄光のもとにあった。
万象は、幸いをなすものであった。
原初の朝、
神は、すべての人を創造した。
みずからにかわって、
世界を創造させるためである。
弱き人にそれを可能ならしめるべく、
神の持てる知恵は、
ことごとく人の魂に注がれた。
原初の昼、
人は、世界を創造した。
いかなる人の道具より強い道具と、
いかなる人の火より熱い火が、
万象にかたちを与えた。
我らの目に映るものは、ただひとつを
のぞいて、この時に創造された。
水や草や獣は、人の糧として、
遺跡は、人と神の家として、
攻性生物は、人のしもべとして、
それぞれの役割を果たした。
原初の黄昏、
人は、争いを始めた。
闇を知らぬ人は、黄昏を恐れ、
心乱して殺しあった。
このとき、神の知恵は、
ことごとく争いに用いられた。
神の火は、地を焼きつくし、
神の道具は、命あるものを打ち殺し、
攻性生物は、人を喰う軍勢となった。
原初の夕べ、
神は、人にかけたのぞみを捨てた。
神は、人の世を去り、
神の知恵もまた人の魂から去った。
人の作ったすべてのものと、
人の壊したすべてのものが、
人自身とともに打ち捨てられた。
水や草や獣は、人からその姿を隠し、
遺跡は、人に扉を閉ざし、
攻性生物は、人を喰い続けた。
かくして、
神は、人の世とともになく、
我らは、神の栄光からへだたり、
万象は、我らに災いをなす。

バイブル2

終息日の書
我らは、打ち捨てられた人の世にて、
生の苦役をつとめねばならない。
それは、我らにつらなる人の犯した
あやまちゆえである。
再び神の栄光を求めるならば、
死に至るまでの道をもって、
さばきを受けねばならない。
その道が、神ののぞみにかなった時、
死せる人は、はるか東方の恵みの森に
置かれる。
その地には、生の苦役も、
人の世のあらゆるけがれもなく、
万象が人に手を差しのべる。
その道が、神ののぞみをはずれた時、
死せる人は、新たなからだとともに
再び人の世に打ち捨てられる。
よき道を歩まないかぎり、人は、
何度でも苦難の生をつとめ、
何度でも死の闇を味わい、
何度でもさばきの前にさらされる。
すべての人が、神ののぞみにかない、
はるか東方の恵みの森に置かれた日が
人の世の終息の日となる。
人なき人の世は、再び無にかえされ、
恵みの森から出たすべての人が、
新たな世界の創造をになう。
打ち捨てられぬ人の手によって
けがれなき世界が創造された日が
原初日のよみがえりとなる。
神は再び世界の上に立ち、
栄光と幸いを世界にもたらす。
それは、終わりのない一日であり、
我らに約された救済である。

ドラゴンバイブル

竜の書
ドラゴンは、
人のほかに神が創造した
ただひとつのものであり、
争いのけがれを受けなかった
ただひとつのものであり、
神が打ち捨てなかった
ただひとつのものである。
原初日の終わり、
神は、人を打ち捨てて世界を去った。
人が互いに争い、
神ののぞみからはずれたためである。
以来、人はさばきを待つ身となり、
死に至る道をよりよく歩むことが
つとめとなった。
しかし、万象のなす災いは、
絶え間なく人を殺し続け、
さばき得る道を人に歩ませなかった。
ゆえに、神はドラゴンを創造して、
人の世に放った。
ドラゴンは、救いの手であり、
また、さばきの目である。
ドラゴンは、よき人を助けるために、
また、人の争いを絶つために、
人の世の上を飛び、その力をふるう。
防がれない光の矢と、
貫かれない殻と、
力尽きない翼が、
すなわち、ドラゴンの力である。
人の世のいかなるものも、
ドラゴンの前には無力である。
ドラゴンの力を求めるならば、
人よ、神ののぞみにかなう者であれ。
矢は、つねに争いの地に放たれる。
殻は、つねによき人の守りとなる。
翼は、つねによき道の上にはばたく。

ゾアバイブル

ゾアの書
よき人への戒め
守護地に生まれた人よ、心せよ。
あなたの血は、さばきを経て選ばれた
よき人につらなる。
あなたの血は、終息日において、
新たな創造の手となる人に流れる。
あなたは、あなたの血をけがしたり、
薄めたりしてはならない。
打ち捨てられた人と交わることも、
いたずらに子孫を増やすことも、
つつしまなければならない。
なぜなら、新たなるゾアの民は、
つねに神の手で置かれるからである。
あなたは、生から死に至る道を
すべてゾアの地で歩まねばならない。
なぜなら、地上はすべて、争いの
けがれを受けているからである。
ゾアの外に立ち、再びけがれた者は、
再びさばきを受けるさだめを
負わなければならない。
あなたは、ゾアの外から来た糧を
とってはならない。
なぜなら、それらの糧は、すでに
打ち捨てられたものだからである。
あなたは、森のもたらす恵みのみで
命をつながなければならない。
守護地に生まれた人よ、忘れるな。
あなたの上に降る「護り火」は、
掟と引きかえであることを。
その光は、終息日まで、
絶えることがあってはならない。
祈りの掟
守護地に生まれた人は、
司祭によって定められた夜に、
神への祈りを捧げなければならない。
 
まず、祈りの夜の来る日には、
清められたわき水のほかには、
何も口にしてはならない。
その日の日没までに、水を浴びて身を
清め、ワント麻で織られた新しい布で
作られた服をまとわねばならない。
また、祈りの夜の間は、いかなる
燈火も用いてはならない。
祈りの前に食物を口にした者、
祈りの前に身を清めなかった者、
日々の営みのけがれをまとったまま
祈りを捧げた者、地上の燈火によって
「護り火」をけがした者は、
ただちに守護地を去らねばならない。

ドローンレポート

ドローン自律構造体に関する記録
はじめに
スキアド・オプス・ランディと
「編み人」ピネハスによる記録。
以下に記すのは、ウル近辺で発掘した
情報系構造体に収められていた記録の
解読である。
その内容は、「ドローン」と呼ばれる
創造物に関するものである。しかし、
このようなものが実際に発掘されたと
いう記録は、「編み人」の間には
伝わっていない。
ドローンの機能
他種自律構造体との同調・制御。
複雑かつ巨大な構造体と同調するには
それに比例して高度な思考レベルが
必要となる。
しかし、思考レベル80以上の個体の
生産は、自我発生の可能性が極めて
高いので、全面的に禁じられている。
自我発生による障害
自我発生症状をきたしたドローンは、
以下の障害を併発する。
1)同調機能障害
2)論理パターン混乱
3)命令認識障害
これらの障害の修復は極めて困難で
あり、ほとんどの症例が廃棄処分と
なっている。
ただし、同調機能障害については、
強度の心理的ショックによって修復
する場合がある。
エネルギー補給
エネルギー消費量が極めて低いため、
特定の場合(休眠状態からの再起動・
ショックによる機能停止時など)を
除き、外部からのエネルギー補給は
不要である。
生産・稼動状況
思考器官の複雑さゆえに、生産数は
微々たるものであり、重要度の高い
生産施設の統括用として、優先的に
配備されている。
また、高機能攻性生物の頭脳として
利用する計画も進行中である。

タワーレポート2

ウル北方の塔に関する記録
はじめに
「編み人」ギムトによる記録。
以下に記すのは、ウル近辺で発掘した
情報系構造体に収められていた記録の
解読をまとめたものである。
その内容は、ウルの北方に位置する
『塔』の構造を示している。
もし後世、志ある者がこの塔を目指す
ならば、それは必ずや困難な道のりと
なるであろう。
ここに書き残す記録が、その者を導く
しるべとなれば幸いである。
塔内部の移動経路
塔内部は5つの層に分かれているが、
それぞれは断絶しており、各々の層を
行き来するためには、15階から成る
外周部を通らなければならない。
塔内部の移動経路は、以下のように
なっている。
1)最上層から外周部13階へ→
  13階から昇降機で12階へ→
  12階から上部格納層へ
2)上部格納層から外周部11階へ→
  11階から昇降機で9階へ→
  9階から中間層へ
3)中間層から外周部8階へ→
  8階から昇降機で6階へ→
  6階から下部格納層へ
4)下部格納層から外周部5階へ→
  5階から昇降機で4階へ→
  4階から最下層へ
中間層の回転機構
中間層には、外周部の構造を変える
回転機構が存在する。
これを作動させると、外周部8階と
9階が一部つなぎ変わり、移動可能な
範囲が変化する。
9階から8階、8階から6階に
移る際には重要な場所となるだろう。
動力装置の停止方法
塔内部には、ローター・パイルと
呼ばれる動力装置が6基存在する。
これが起動すると、層内の移動が
阻まれるが、外周部にある制御装置で
停止させることが可能である。
制御装置の場所は以下の通りである。
・1号基…外周部15階東側
・2号基…外周部14階西側
・3号基…外周部7階西側
・4号基…外周部4階東側
・5号基…外周部3階西側
・6号基…外周部3階北側
    (階下からのみ進入可)

タワーレポート3

塔の機能に関する記録
はじめに
「編み人」ザドクによる記録。
旧世紀の支配者たちは、この世界の
命を支え、それを脅かすであろう
人間の数と力を抑えるため、各地に
強力な管理機構を遺した。
それが『塔』である。
旧世紀の管理からの解放という我々の
目的は、すべての塔の破壊もしくは
無力化と言い換えてもよい。
以下に記すのは、多くの「編み人」
たちが積み重ねてきた、塔に関する
研究をまとめたものである。
塔の機能
個体によって役割は多少異なるが、
塔の機能は大きく2つに分けられる。
すなわち、環境維持・再生機能と
攻性生物生産・統括機能である。
塔は、大気・水・土壌などを浄化して
生存に適した環境を拡大する一方、
再生した環境を脅かす要素、すなわち
人間を排除するため、内部で生産した
攻性生物を使役している。
しかし、長期間の稼動による消耗や
故障などの理由から、すべての塔が
機能しているわけではないので、
旧世紀の終わりから数千年を経た
今でも、環境再生は完了していない。
もっとも、塔の機能が十全であった
ならば、我々を含む人間の絶対数は
現在よりさらに厳しく抑制され、
再生の手が届かぬわずかな地において
より苛酷な生を強いられていたこと
だろう。
塔とセストレン
セストレンとは、旧世紀の管理意志の
座であり、空間断層によって隠された
絶対不可侵の遺跡であり、すべての
塔の制御を行う場である。
旧世紀において、塔は
「アレル・セストレン」すなわち
「セストレンの下僕」と呼ばれた。
すべての塔は、セストレンがこの世に
力を及ぼすための道具にすぎず、
セストレンが破壊されたとき、
塔は二度と目覚めぬ眠りにつく。
しかし、この世の者がセストレンに
触れるためには、空間断層を越える
「扉」を開かねばならない。
それは、すべての塔の中枢にひとしく
与えられているが、扉を開くための
手段は、まだ見出されてはいない。

ソルジャーガイド

帝国軍人心得
辺境での作戦行動
いまだ文明の光を知らぬ辺境の民は、
旧世紀の産物をいたずらに恐怖し、
愚かな信仰の対象とするのみである。
それら地に埋もれた遺産を、正当なる
継承者、すなわち皇帝陛下のもとに
お返しするのが、我が軍に与えられた
使命である。
旧世紀文明の力は、地上にはびこる
攻性生物を駆逐し、再び人類を世界の
主人とするために行使される。
帝国の領土拡大は、より多くの遺跡や
エンジンを確保するためであり、
それらは全て、攻性生物から人民を
守るために有効利用されるのである。
ゆえに、辺境の民の無意味な反抗に
あっても、躊躇してはならない。
反抗は単に無知ゆえであり、帝国には
彼らを保護する義務があるからだ。
我が軍の戦いは侵略にあらず。目先の
情に惑わされず、常に大義をもって
行動することを望むものである。
旧世紀兵器の取り扱い
アカデミーでは、優秀な人材による
研究が日夜行われ、旧世紀の技術に
関する謎は着実に解明されつつある。
エンジンをはじめとする機械類を、
帝国自らの手で生産するという目標が
達成される日は、もはや目前に迫って
いるのである。
だが、現在我が軍の使用する兵器は
全て発掘物の修復・改造品であり、
絶対数は常に不足状態にある。ゆえに
その取り扱いには細心の注意を払い、
動力の消耗を最小限に抑えるように
心がけねばならない。
対攻性生物戦
旧世紀の技術を持たぬ辺境の民は、
我が軍にとって脅威とはなり得ない。
真の脅威は、我が軍と同じく旧世紀の
力を有するもの、すなわち攻性生物で
ある。生物兵器として強大な戦闘力を
与えられた彼らは、生身の人間では
到底対抗し得ない外敵である。
しかしながら、攻性生物の知能程度は
著しく低く、アカデミーの手によって
その行動様式も解明されつつある。
我が軍の兵器・部隊編成・戦術は、
それらの研究に基づいて考案された
ものであり、適切に運用されれば
絶大なる効果を発揮する。
ゆえに、兵士諸君に要求されるのは、
いかなる時も上官の命令に従い、
恐慌に襲われることなく、冷静に
それを遂行することである。
さすれば、敵の種類・規模の如何に
関わらず確実に撃破できるであろう。
シーカーへの対処
辺境部族の中には、帝国の財産である
遺跡を、盗掘の目的で荒し回る一団が
存在する。
彼らはシーカーと呼称され、辺境では
一応の認知を得ているが、その行為は
帝国に対する反逆であり、発見しだい
せん滅せねばならない。
シーカーは組織力が弱く、ハンターと
同程度の武装しか有していないので、
直接的な脅威とはならない。しかし、
発掘物を所持している場合が多いので
重火器の使用は控えるのが望ましい。
塔の探索
我が軍の最大の目的は、旧世紀の禁断
兵器『塔』を手中にすることにある。
皇室伝承によれば、各地に点在する
塔のそれぞれに、全世界を破壊して
なお余りある能力が与えられていると
いう。
かくのごとき巨大な力は、旧世紀
文明の継承者たる皇帝陛下のもとで
正しく管理されねばならない。それが
世界秩序の確立に貢献する道であり、
我が軍はそのためにこそ存在するので
ある。
ドラゴンの捕獲
辺境では、ドラゴンが神の使いと
崇められているが、それは根拠なき
迷信である。
ドラゴンもまた攻性生物であり、その
驚異的な戦闘力は、我が軍に幾多の
被害を及ぼしている。
しかし、ドラゴンは最強の攻性生物で
あると同時に、塔の機能と深い関係が
あることが判明している。
ゆえに我が軍は、ドラゴンと塔の
秘密を明らかにするため、いかなる
犠牲を払ってもドラゴンを捕獲せねば
ならないのである。

ベースマニュアル

クールマ型前線基地警備心得
クールマ型水上前線基地は、2重の
可動防壁(それぞれ「外部防壁」
「内部防壁」と呼称)と、その内側に
配置された各施設から成っている。
その中でも、最優先で防衛しなければ
ならないのが、基地の中央にある
司令塔である。(次ページ参照)
基地の構造概念図
ゆえに、司令塔周囲の内部防壁は
常に閉鎖された状態にある。
これが開放されるのは、物資搬入時と
第2種警戒態勢発令時のみである。
外部防壁内の戦力が著しく消耗し、
内部防壁内の戦力投入が不可欠と
判断された時点で、第2種警戒態勢が
発令される。
ただし、内部防壁の開放は、同時に
司令塔への侵入を許すことになるので
戦力運用は慎重に行わねばならない。

タワーレポート1

『塔』起動実験報告書
『塔』発見〜引き上げまで
帝国暦89年2の月18日、
帝都近海の海底に、微弱な動力反応が
探知された。
予備調査の結果、これは休眠状態の
遺跡のもので、起動時の動力指数は
帝国の保有するあらゆる遺跡のそれを
凌駕しうると試算された。
慣例に基づき、予備調査によって得た
情報を皇室伝承と比較したところ、
当該遺跡は、旧世紀の禁断兵器
『塔』のひとつであることが判明。
皇帝陛下の勅命により、全ての発掘
作業は中断され、塔の再起動に全力が
注がれることとなった。
塔の休眠状態を破るため、第2機甲
連隊の全空中戦艦のエンジンから
動力を引き出し、外部刺激として
使用した。
塔が起動準備状態に移行し、完全に
浮上するまでには、12日間の連続
稼動を要した。
ドラゴンの出現
塔の引き上げ成功を機に、本格的な
調査が開始されたが、起動に必要な
要素の解明は困難を極めた。
外部刺激実験も引き続き行われたが、
浮上以後、明確な反応は確認できなく
なっていた。
停滞した状況を打破したのは、辺境で
入手された、情報保存系の発掘物で
あった。それに記録されていた情報を
分析した結果、塔はドラゴンと密接な
関係にあることが判明したのである。
時を同じくして、帝都東方97000
リオンの地点にて、2頭のドラゴンが
発見された。
第9発掘所方面へ飛行中のドラゴンを
捕獲するため、ただちに国境付近に
捕獲部隊が展開された。
だが、ドラゴンの戦闘力は、現存する
兵器をはるかに超えるものであった。
建造中の試作兵器をも投入した深夜の
戦闘は、捕獲部隊と発掘所の全滅と
いう、最悪の結果に終わった。
塔の起動と自爆
発掘所を破壊したドラゴンが、帝都
防衛線に接近した時点で、軍司令部は
ドラゴンの捕獲を断念。
残存部隊をもって迎撃にあたったが、
撃滅は不可能であった。
防衛線を突破した2頭のドラゴンは、
戦闘を行いつつ、帝都を経由して塔に
接近。これと前後して、塔の活動に
変化が生じ始めた。
まず、動力反応の上昇とともに、
海中から大規模な攻性生物群が出現。
さらに、外殻が展開し、1頭の
ドラゴンを収納したのち、完全起動
状態に入った。
しかし、もう1頭のドラゴンの突入に
よって、塔の動力は暴走、自爆して
完全に消滅した。
この直前、塔に収納されたドラゴンが
巨大化して、もう1頭と最後の戦闘を
行ったという報告も存在するが、その
真偽は不明である。
塔による被害と新防衛構想
帝都内におけるドラゴン同士の戦闘、
海中から出現した攻性生物の攻撃、
さらには塔の自爆によって、帝都の
約6割の地域が壊滅的打撃を受けた。
幸い、王宮とアカデミーの被害は
軽微なものであったが、これを機に
帝都(特に王宮)の防衛構想が大幅に
見直されることとなった。その結果、
超大型空中戦艦「グリグオリグ」の
建造が開始されたのである。
帝都上空を周回するグリグオリグは、
それ自体が宙に浮かぶ王宮である。
これが完成した暁には、たとえ
ドラゴンといえども、皇帝陛下に
危害を加えることは不可能であろう。

シップレポート

シェルクーフ事件報告書
シェルクーフの発見
帝国暦71年6の月10日未明、
全長2100リオンに及ぶ直方体の
飛行物体が、攻性生物や戦艦を伴って
国境方面に進行中であることを、
メッカニア連邦領土内に侵入していた
探索部隊が確認した。
皇帝陛下の勅命により、当該飛行物体
(現地語に基づき「シェルクーフ」と
呼称)の追跡が開始されたが、探索
部隊と合流する時点で、メッカニア
連邦軍と衝突。全面戦争に発展する
結果となった。
なお、メッカニア併合後に行われた
調査によって、シェルクーフは
探索部隊との遭遇前に、飛行コースを
突如変更して、エルピス地方の村落を
雷撃によって全滅させている事実が
判明している。
コース変更の理由は不明だが、攻撃の
対象となった村落では、クーリアが
多数飼育されており、それが何らかの
形でシェルクーフを呼び寄せたのでは
ないかとする説が有力である。
捕獲部隊全滅の経緯
メッカニア軍との戦闘によって
シェルクーフの追跡が中断、位置が
不明となったため、捕獲部隊は
シェルクーフの予測飛行コース上の
森林地帯に戦力を展開、監視体勢を
整えた。
この時、森林上空で新種の攻性生物が
発見された。
既存の攻性生物の体系のいずれにも
属さないこの個体は、辺境の伝承から
「ドラゴン」と命名され、調査のため
別働隊が編成された。
しかし、別働隊の報告を待たずして、
シェルクーフとともに確認されていた
大型戦艦が出現。捕獲部隊と交戦
状態に入った。
戦艦はわずか1隻であったが、その
戦力は圧倒的であり、数分間の戦闘で
部隊の大半が撃破された。
撤退した残存部隊の報告に基づいて
編成された第2次捕獲部隊は、
ゲオルギウス付近でシェルクーフに
遭遇、接触を図ったが、その表面に
設置されていた雷撃兵器の集中攻撃を
受け、全滅に至った。
奇跡的に生還した士官の証言によれば
ここでも全滅直前にドラゴンの姿が
目撃されている。しかし、その外見は
第1次捕獲部隊の報告にあるそれとは
著しく異なっており、誤認ではないか
との見方もある。
シェルクーフの失踪
これ以上の戦力消耗は、メッカニア
侵攻作戦に影響を与えると判断した
軍司令部は、第2次捕獲部隊の全滅を
もって、シェルクーフ捕獲作戦の無期
延期を決定。全兵力を侵攻作戦に投入
した結果、9の月3日、メッカニア
連邦は、正式に帝国の属領となった。
その後、改めて追跡調査が行われたが
予測飛行コース上にシェルクーフの
姿はなく、ただ大規模な戦闘跡を
無数に確認するのみであった。
シェルクーフは、この戦闘によって
破壊されたと思われるが、それを可能
ならしめた戦力の実体は不明である。

ドラゴンレポート

ドラゴンに関する研究
ドラゴンの戦闘力
ドラゴンの主な武器は、口腔内より
発射される複数の雷撃である。この
雷撃は、目標に向けて屈曲するという
特異な性質を持っている。
また、個体によっては、若干の
追尾性を備えた実体弾や、生体粒子の
波動を放つことが確認されている。
いずれの武器も、我が軍の保有する
同種兵装のそれをはるかに上回る
破壊力を有している。アカデミーの
試算によれば、ドラゴン1頭の潜在
能力は、最低でもヴァルナ級空中戦艦
50隻に匹敵するという。
ドラゴンの乗り手
ドラゴンに関する記録の中で特に注目
すべきは、その背に人間を騎乗させて
いたという目撃例であろう。
クーリアなど、退化したごく一部の
種を除けば、このような行動を示す
攻性生物は皆無である。
この「乗り手」の正体は不明だが、
ドラゴンと連携した俊敏な反応や
高度な戦闘行動は、普通の人間には
不可能なわざであり、アカデミーでは
攻性生物に類する人型の創造物では
ないかとする説が有力である。
ドラゴンと『塔』
旧世紀の記録によれば、ドラゴンと
禁断兵器『塔』は、何らかの形で同調
しているという。
この解釈として、アカデミーでは
「ドラゴン=塔の守護者」説と
「ドラゴン=塔の破壊者」説の2つが
ほぼ同等の支持を得ている。
帝国暦89年の『塔』起動実験に
おいて、2頭のドラゴンがまったく
相反する行動をとったことが
解釈の混乱を招いているのだが、
これに関しては、いまだ情報不足で
あると言わざるを得ない。

パエットノート

メル=カヴァ研究書
メル=カヴァの破壊方法
ゾアの街の言い伝えには、
メル=カヴァを支える「両輪」という
表現がある。
古くさい言い回しだが、要するに
メル=カヴァは2基のエンジンで
飛んでいるということが言いたい
らしい。
当然、メル=カヴァを落とすためには
そのエンジンを壊せばいいわけだが、
そこまでの道は「死の光を放つ番人」
(これも言い伝えにある呼び方だ)に
ふさがれている。たぶん、自律型の
砲台みたいなものだろう。
ただ、こいつには、普通に戦っても
勝てないような秘密があるらしいから
注意が必要だ。
「番人」に出くわしたら、その近くを
よく調べてみてくれ。なにか特別な
設備があるかもしれない。
光の粒子
メル=カヴァの各部からは、光の
粒子が吹き出している。俺が飛ばした
記録機械の端末は、この粒子に
触れたとたん破壊されてしまった。
たとえドラゴンでも、粒子の流れに
まともにぶつかれば、吹き飛ばされて
しまうにちがいない。
粒子の噴出口を壊しておくのが、一番
いいやり方だろう。
中には、噴出口を全部壊さないと
先に進めないところもあるらしいから
せいぜい景気よくやってくれ。
粒子が止められない場合は、なんとか
当たらないようにするしかない。
特にエンジンからは、絶え間なく
粒子が降り注いでいるので面倒だが、
それから身を守るための仕掛けも
どこかにあるはずだ。

メモリーレポート

情報系構造体に関する記録
「編み人」ノアデアによる記録。
遺跡内にある機械のほとんどは
エンジンなどの動力系構造体だが、
ごくまれに、映像や音声を記録する
ための、情報系構造体が発見される
ことがある。
我々シーカーが、塔とセストレンに
よる管理システムの存在を知ることが
できたのも、情報系構造体の再起動に
成功したからだが、この種の構造体の
一部には、情報の記録以外にも重要な
機能が存在することがわかった。
それは、攻性生物の行動を制御する
力場を発生する機能である。
おそらく、記録されている情報を保護
するためのものだろう。
ただし、構造体の動力が小さいので、
力場の範囲と効力はかなり限られる
ようである。
これをうまく利用すれば、我々の里を
攻性生物から守る手段として使える
かもしれない。今後も、この種の
構造体の研究は、積極的に続けていく
必要があるだろう。

リーダーズノート

隊長の日記
10の月19日
ていこくのしごとをうけて この 
はっくつじょうについてから もう
2しゅうかんになる。
ていこくのやつらはなにかをひっしで
さがしている。 せきにんしゃの
じいさんは もう20ねんちかく
そいつを さがしているらしい。
きょうもおめあてのものは
みつからなかったようだ。
あいかわらず やつからのれんらくは
こない。
10の月25日
あのデッカイふうしゃのおかげで
こうせい生物もほとんど
よりつかない。
ここはおもったよりも らくなしごと
だったかもしれない。
今日のゆうがた やっとやつからの
れんらくがとどいた。
どうやら ていこくアカデミーは
すごくあたまのいいやつしか 
入れないところらしい。
やつは がっこうに入るほうが さき
だろうといっていた。
11の月8日
あいかわらず発掘じょうは、ガラクタ
ばかりほりおこしている。
つうしんきで やつと話しをした。
てい国のがっこうにはいるためには
それなりにたくさんのお金がいる
らしい。
だがやつのいう金も むりをすれば
はらえないがくじゃない。
おれのからだも あといく年かは
まともにはたらいてくれるだろう。
12の月20日
この俺が ガラにもなくこんな日記
なんかつけはじめたのは やはり
あいつのためかもしれない。
おもえば 親がわりだなどと
口はばったいことも、何度も言ったが
これといって おやらしいことは
いままで なにもしてやれなかった。
いまだによみ書きがまともにできない
おれとちがってエッジはあたまもいい
なんとかして 帝国のがっこうに
いれてやりたいとおもう。
へんきょうの よう兵などまっとうな
にんげんのするしごとじゃない。
このしごとがおわったら あいつを
帝国へつれていってやるつもりだ。
しょうらい あいつがえらくなっても
おれのことであいつがバカにされたり
はずかしいおもいしないように
俺もあしたから日記だけじゃなく
すこしべんきょうもしようとおもう。
エッジはいつか、おれのことを
おやじとよんでくれるだろうか。

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